不動産登記とは/登記が必要である理由

◆不動産登記とは

 権利に関する不動産登記は、不動産に関する権利関係を登記により公示する制度です。登記(対抗要件)を得ることで権利の保全を図ることができ、権利関係は登記事項証明書で確認することができます。登記事項証明書は、不動産に関する取引(売買契約、住宅ローン契約など)を行う時、住宅ローン減税等の手続の為に証明を要する時、その他様々な手続の時に、権利関係を確認する為の証明書として利用されます。

◆登記が必要である理由(対抗要件の取得)

 所有権などの権利を取得しても、その旨が登記されていなければ当事者以外の第三者に対して自らの権利を法律的に主張できず、不利益を受ける可能性があります。

 誰に対しても自分の権利を法律的に主張する為の対抗要件が登記です。この対抗要件で権利の保全を図ります。

不動産登記の申請手続の概要

◆登記所(法務局)

 不動産は所在地域ごとに管轄する法務局が各地にあり、登記申請の受付・登記事務は管轄する法務局で対応することになっています。管轄外の法務局には申請できません。なお登記事項の証明書については最寄りの法務局で取得できます。

◆申請手続

 申請書類を管轄法務局の申請窓口に提出します。審査の結果、補正(書類の訂正や不足など)がなければ1週間〜10日くらいで登記処理が完了します。完了後に申請した法務局で完了書類を受領して登記申請は終了です。

◆申請書類

 申請書類は、申請内容に応じた申請書と添付書類で構成されます。申請書と登記原因証明情報を作成するほか、住民票や印鑑証明書など必要に応じた書類を揃える必要があります。

◆登録免許税

 申請書類の提出と同時に納付します。申請書に収入印紙または納付領収証(金融機関で納付の場合)を貼付します。

  登録免許税についてはこちら

不動産登記における司法書士の仕事

 司法書士は依頼を受けて、代理人として不動産登記の手続を行い、重要財産である不動産の権利保全をします。依頼から登記完了までに具体的には以下のことをします。

 1.状況に基づいて、申請の要否、必要な申請手続の種類および件数などの判断。

 2.申請に関する不動産や法律事実、当事者など登記に要する情報の調査・確認。

 3.必要に応じて登記当事者または関係者との打合せ・書類授受などの調整事務。

 4.申請すべき内容に応じた申請書と必要書類(添付書類)の作成や代理取得など。

 5.登記所(管轄する法務局)への代理による登記申請、登記完了までの申請管理。

 6.登記完了書類の代理受領など完了事務。

所有権者(登記名義人)に関する登記

◆登記名義人の表示(住所・氏名)の変更があった時(所有権登記名義人表示変更登記)

 登記名義人に住所変更(転居や区画整理による変更など)や、氏名変更(婚姻や離婚など)があった時、戸籍や住民票の届出を行っても不動産登記記録の住所・氏名は変更されません。別途、不動産の登記名義人 表示(住所・氏名)を変更する登記手続が必要です。また売買や贈与などの登記名義人変更や住宅ローン設定ほか各種登記の前提として必要な登記でもあります。

 なお、この登記は、既に登記されている名義人の住所・氏名の表示を変更する登記で、次項の登記名義人を変更する登記とは違って、名義人は同一人のままです。

  区画整理による住所変更について詳しくはこちら

◆登記名義人の変更(相続・売買・贈与・離婚など)があった時(所有権移転登記)

 不動産の名義変更(所有権が新名義人に移転すること)です。権利が移転するので法律上の原因(契約や合意などによる権利変動)を必要とします。権利移動に伴う税金(相続税や贈与税など)も発生します。よって法律上の原因なく名義だけを変更することはできません。具体的な原因として、死亡によって承継した時は相続、代金を支払って取得した時は売買、無償で譲渡なら贈与があります。他にも共有物分割や交換、離婚時の財産分与など色々あります。

 1.不動産を相続した時

 2.遺言書により不動産を相続した時 

 3.不動産を売買した時

 4.不動産を贈与した時

 5.離婚により不動産を財産分与した時

◆建物を新築した時(建物表題登記と所有権保存登記)

 建物は土地と違って、新築した時に権利(所有権)の登記とは別に、建物表題登記(家屋番号・種類・構造・床面積など)が必要です。取壊した時や増改築した時にも滅失や変更の表題登記が必要です。

 所有権保存登記は、建物を新築した時、最初の所有者(名義人)を登記するものです。この所有権保存登記の前提として建物表題登記が必要になります。

 以上から建物を新築した場合、建物表題登記と所有権保存登記の2件の登記が必要になります。 建物表題登記は建物の物理的状態の登記なので、測量などを行う土地家屋調査士という司法書士とは異なる資格者が登記実務を担っています。

  登記記録の表題部と権利部/建物表題登記についてはこちら

土地・建物の共有関係を解消する登記(共有物分割)

 相続や贈与などにより土地・建物を共有している場合、この共有状態を解消することを共有物分割と言います。夫婦で共有している場合は将来的に共通の子(相続人)が承継するので問題ありませんが、相続等により兄妹などで共有している場合は、兄妹それぞれの子(相続人)が承継していくことになり共有者が増えて利害関係が複雑になる為、共有物分割の必要性が生じます。

 共有の問題点は、共有者全員に持分に応じた所有権がある為、売却などの処分や利用について利害調整が困難になることです。共有は自由に処分したり使用できる所有権の最大の長所を薄めてしまいます。

 共有物分割の方法は主に次の方法があります。実務では、土地の分割が多いので土地を例に挙げて説明します。

◆現物分割

 土地を物理的に分割して、分割した各土地を単独所有にする方法です。具体的には土地を測量して境界線を引く分筆の登記を行い、分筆登記で分離した各土地について登記名義を単独所有にする所有権移転登記を行います。

 小さい土地は分割することによって利用価値が下がる可能性がある為、この方法は向いていません。分割しても利用価値が損なわれない程度の広さの土地である場合に利用が考えられます。

◆代償分割

 物理的な分割をせず、土地の共有持分を金銭や土地などで清算して単独所有にする方法です。金銭を支払う場合は実質的に売買なので普通に売買手続することも可能です。また共有者が所有する他の不動産と共有持分を交換する方法もあります。

 小さい土地など現物分割に適さない場合に利用が考えられます。

◆換価分割

 共有状態の土地を売却して代金を分割する方法です。共有者にとって上記に挙げた分割方法にメリットがない場合、不動産よりも金銭での分割を希望する場合などで利用が考えられます。

住宅ローンの登記、その他の登記

◆住宅ローンなどの借入時の担保設定/返済時の担保解除((根)抵当権の設定/抹消)

  詳しくはこちら

◆その他の登記

 対応していますので、ご相談ください。

在外邦人(外国に居住する日本人)の登記手続

 外国に移住または長期出張していて、日本に住所がない(住民票を外国に移している)日本人(日本国籍を有する人、在外邦人)が登記手続を行う場合、日本に住民票がない為、市役所や区役所が発行する住民票や印鑑証明書を利用して登記手続を行うことができません。そこで外国にある日本国の大使館や領事館で発行する証明書(在留証明書・サイン証明書など)を取得して登記手続に利用します。なお、登記に利用する為のサイン証明書は、登記手続に適した方法で取得する必要がありますので、司法書士の指導を受けて下さい。

事務内容と費用(手数料)の補足

◆事務内容の補足

 1.各種の不動産登記に必要な書類の手配および作成、手続のほか関連する事務を行います。

 2.建物・土地の表題登記は、土地家屋調査士への外注になりますが当事務所で管理します。

 3.相談・見積り・依頼はこちらから

◆費用(手数料)の補足

 1.手数料一覧(料金表)はこちら

 2.表題登記(土地家屋調査士に外注)の見積りは、当事務所と同様、事前提示いたします。






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